東京で宿泊予定のカプセルホテルに入る前に、その近くの本屋に寄った。
何気なく、手に取った
「待ってくれ、洋子」(長門裕之著)。
少し立ち読みをしたがとても感動し、本を買って最後まで読んだ。
「老老介護」ということよりも長門裕之・南田洋子夫妻の
「夫婦愛」に心打たれた。
===========================================
・・・
それから僕は変わった。
今まで一緒にやってきたものの、 前や別の方向ばかりを見て、
お互いを見ていなかった夫婦の関係を見直してみようと思ったことだ。
僕はきちんと妻と向かい合ったことがあっただろうか?
この僕にとって、かけがえのない洋子という女を、
ちゃんと見ていただろうか?
洋子の思いをわかっていただろうか?
気持ちを伝えていただろうか?
もっともっと洋子を大切にしたい。
今さら遅いかもしれないが。
・・・
===========================================
私たち夫婦も50を過ぎ、子供二人は県外に出てしまい、
今は二人きりで生活をしている。
子供がそばにいない分、夫婦で向かい合う時間が増え、
夫婦の関係を今、見直しているところ。。。
それと、生と死の問題。
===========================================
・・・
もし、洋子が死んでしまったら・・・・・・
今、これほどの恐怖感はないのだ。
・・・
今は戦いの真っ最中だから、
終焉のことはあまり考えないようにしている。
・・・
===========================================
何をどう頑張ろうが、必ず訪れる終焉。
それがハッピーエンドならよいが、考えたくもない、恐怖の結末。
死に対して「待ってくれ!」と言っても全く通用しない。
人生の終焉に着実に向かう生の意味は、一体何なのか?
まさに、「
なぜ生きる」という生死(しょうじ)の大問題を
考えずにおれない書でした。